コミケ体験記

もう既に1週間近く前のことだが12月29〜30日に開催されたコミックマーケット69に一般参加した。

私にとって初コミケであった。長年マンガ好きとして過ごし、中、高校生時代には地元の同人誌即売会にも行っていた。が、地方者なためコミケは未参加だったのだ。プロフィールでも書いているが私は既にヤオイ萌えのほとんどを無くしている。あの『おおきく振りかぶって』を読んでもカップリングが浮かばないのである。もはや腐女子としては現役引退状態だ。しかし、かつては腐女子として青春時代を送った身である。コミケへの憧れは絶ちがたく、学生最後の年である今年かねてよりなんとなく腐女子臭を感じ取っていた友人と、なんにでも興味を示す非オタクの友人を誘いコミケに行ってみることにしたのだ。百聞は一見にしかずだ。(ちなみにこの友人は「なんでわかったの?」と驚いていた。類にはわかってしまうものなのだ・・・。)

そして12月30日遂に聖地東京ビッグサイトにやってきた。

12月30日を選んだのは男性向けの日の方が真のコミケを見れるのではと思ったのとよしながふみのアンティーク本が欲しかったためである。9時ごろ会場にやってきたのだが、うわさには聞いていたが電車に乗った段階からなんかもうアレだった・・。会場に着いてさらに驚いた。なんだあの人の量は。どこまで列続くんだよ。なんでもあれでも今年は少ない方だったそうな。それを華麗に裁ききるスタッフのみなさんに感動した。並んでいる間もそこかしこで聞こえるゲーム、アニメの話。PSPやら任天堂DSに興じる人々。明らかに普通では無い髪形になってるお姉さん、お兄さん達。テンションは高まるばかりだ。10時に開場し入場が始まると、あんなに人がいたのに意外にも15分ごろには会場内に入れた。よしながふみの本は友人に任せ、1時間半あまり会場内をうろつく。批評エリアに行くと岡田斗司夫氏や唐沢俊一氏(TVどおりの喋りが聞こえちょっと感動)ちょっと離れたところには東浩紀本田透氏森山嘉一郎氏やらある種の有名人達が。ついつい波状言論DVDなどを購入してしまう。しかし、開場後すぐだったからかもしれないが、批評エリアには女性が少なかった。というかこの日自体女性客が少なかったんだろう。東館の会場を一周しようかと思ったが無理だった。男性向けの人ごみエリアに行った段階で早くもなみだ目になってしまい、芸能コーナーでお茶を濁した。覚悟が足りなかったようである。そのあと意外にもコミケの雰囲気になじんでいた非オタの友人とともにコスプレ広場に向かった。

コスプレ広場には麗しいレイヤーのみなさんがきらびやかにポーズを取っていらっしゃり、友人と二人そろって妙にハイテンションになる。レイヤーの皆さん肩やら腹やら出して寒かろうに笑顔でカメコさんたちの注文に答えていらっしゃる姿に感動。私達も持ってきたデジカメを手ににわかカメコとなり写真を撮らせていただいた。そのとき許可をいただいていないのでココで公開はできないが皆さん非常に完成度の高いコスプレをなさっていらっしゃった。中でも『NARUTO』のガイ先生をやってらっしゃった男性レイヤーに惚れました。素晴らしい笑顔でいらっしゃった・・・。またコスプレ広場の横には長蛇の列ができていた。最後尾札を見ると『TYPE-MOON』の列であった。西館に行くことなく人気企業ブースの凄さを感じることができた・・。


このあともう一人の友人と合流し13時過ぎには会場をあとにした。東京駅に着いたときには,3人とも疲労困憊であった。会場にいたときにはテンションの高まりのためわからなかったがなんだか異様に疲れていた。新幹線の時間まで田舎者らしく丸ビル見物などするも疲労のため休憩ばかりを求める有様であった。その後新幹線に乗り東京をあとにした。もちろん新幹線に乗って即熟睡に入っていた。


そういえば、新幹線の待合室でアニメ柄の紙袋を持ち同人誌を読みふけるスレンダーな青年がいた。以前ならば同属嫌悪もあってこんなとこでやめろよ!と怒りの気持ちといたたまれなさを感じたものだが、別にいいじゃないかと優しい気持ちになった。疲れていたのもあるだろうが、コミケでの有る意味純粋な萌えエネルギーに触れたせいかもしれない。